数値を読み解く力 ~平均値・中央値・最頻値~

世代別平均貯金額
20代 平均350万円  30代 750万円  40代 1200万円

こんなニュースを見たとする。(あくまで例題)
こんなときよく思うこと。
あれっ、自分や身近な周りの人と結構GAPがあるな。

これにはカラクリがある。
一言で言ってしまえば、「値の開き」が大きいということ。

 

20代でいうと、
Aさん1500万円 Bさん700万円 Cさん500万円 Dさん300万円 Eさん200万円
Fさん170万円 Gさん150万円 Hさん100万円 Iさん50円 Jさん0円

この10人の貯蓄額をすべて足して、人数で割れば、367万円となる。
この367万円が平均値。

ただ、実態としてかなりの開きがあるのがわかる。
わかりやすく言えば、AさんとJさんの二人の平均・・・で計算してしまうと
平均750万円となってしまう。(1500+0 ÷2)
かたや大金、かたや0円なのに。
これが平均値のこわいところ。

次に中央値とは、対象の中央、つまりちょうど真ん中に値する人。
今回の場合は、170-200万円(Eさん-Fさん)が中央値となる。
ここまでくると、かなり現実味が持てる。

そして、もっとこれを「構成比」でみたものが最頻値。
今回は10人のサンプルだったけど、もっとこれを100人、1000人と調査したときに
本当にEさん-Fさんラインが多いのか?たまたまじゃないのか?
調べてみたら、一番多い分布だったのは、Hさんに近い100万円だった。
この場合、100万円が最頻値となる。

平均値367万円 中央値170-200万円 最頻値100万円

これが数値のカラクリ。
数値を読み解く力とは、数値と現実とのGAPをあぶり出す力もある。

学校のテストとかの100満点という「値の開き」が狭いもの、上限があるものは平均値で大丈夫。そう大きくぶれないので。

会社のなかで使う数値や、共有する数値も、
当事者間でその詳細や内訳をわかっている場合が多いので、大丈夫な場合が多い。

ただし、世間一般を対象にしたもの、調査範囲が広いもの、値の開きが大きくでるもの、
要は、ものさしの幅が大きいものは、要注意。

年収、ボーナス、貯金、ヘソクリ、家賃、所得税、相続税・・・
もし、ネットやニュースで、ポーンッと飛び込んでくる数字があったら
それって平均値かな?中央値かな?最頻値かな?
とワンクッション置いてみる。

受け身で一方的に入ってくる情報を、丸呑み鵜呑みにするのではなく
ほんとかな? って疑ってかかる、自分で調べなおしてみる。

そうすると結構おもしろいことに気づいたり、新しい発見がある。
おすすめします。