読書:「新しい道徳」北野武 -part.1-

説明不要の北野武(ビートたけし)さんです。

新しい道徳
「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか

 

とてもおもしろい良書でした。

ユーモアをまじえながらも

しごくまっとうなことを言っています。

 

言われればそうだな

と気づかされることも。

 

言われると納得 するのも

言葉にする力、伝える力があってこそ。

あらためてすごいなと思います。

 

目次

はじめに
第一章 道徳はツッコみ放題
第二章 ウサギはカメの相手なんかしない
第三章 原始人に道徳の心はあったか
第四章 道徳は自分で作る
第五章 人類は道徳的に墜落したのか?
おわりに

 

大きく全五章からなります。

そして各章約10章ほどの

テーマセンテンスで4ページずつほど

読みきりサイズでスラスラ読めます。

 

例えば、

 

第一章

01.道徳の教材をパラパラとめくっただけで、あっちこっちにもツコミを入れたくなる。

02.人生がこれから始まるっていう子どもに、自分を見つめさせて、なんの意味があるのか。

03.まるでクスリの効能書きみたいに、「いいことをしたら気持ちいいぞ」って書いてある。

04.なぜ老人を大切にしなきゃいけないか。いちばん大事なことが何も語られていない。

07.檻の中の犬や猫をかわいそうに思って、ペットショップに忍び込んで全部逃がすのは、いいことか?

12.道徳が役に立つのは、むしろ不道徳な人間だ。いい人間のふりをしたければ、道徳の教科書を参考にすればいい。

13.子どもに喧嘩をしちゃいけないと教えるなら、大人だっていかなる理由があろうと戦争をしちゃいけない。

15.神様が前提なら、道徳に説明はいらない。「神様がそういった」、日本ではそうはいかない。

第二章

01.今の世の中じゃ、ウサギは途中で昼寝なんかしない。他のウサギと競争中で、カメにかまってる暇はない。

04.デジタルには合間も隙間も余白もグレーゾーンもない。だから、その隙間を乗り越えるための苦悩を知らない。

05.インターネットで手軽に知識を得ることはできても、手軽に得られるのは手軽な知識でしかない。

第三章

02.宗教が世の中にひとつなら問題はない。宗教と宗教がぶつかると、大変な問題が起きる。

04.いつの時代も、どんな人間にとっても通用する絶対的な道徳はない。

05.道徳は人間関係を円滑にするための技術だ。

第四章

01.昔ながらの精神主義は、働きアリを作るのには都合がいいかもしれない。けれど、今の社会に必要な柔軟な想像力を育てるのには向いていない。

04.生涯熱中できる趣味があれば、歳をとってからわけのわからない犯罪を犯す確率はかなり減る。

05.のたれ死にする覚悟をしてまでも、自由が欲しかった。成功するとかしないとかは、二の次だったかもしれない。

06.向上心のある芸人は、自然にこの世界の掟を身につける。上に行こうとする奴は、放っておいても道徳的になる。

07.昔の人は、道徳なんて言葉は使わなかったけれど、自分の哲学で自分の行動を律していた。

08.神様とは関係なしに、自分の道徳で生きていけばいい。

第五章

01.周囲の自然に感謝して生きていけばなんとかなるという発想が、日本人の思想の根っこにある。

03.昔の人の性根が据わっていたのは、少なくとも今の俺たちよりは、自分の死について具体的に考えていたからだ。

05.最高の性教育は、出産シーンを見せてやることだ。

06.牛や豚がどうやって育てられ、殺され、肉になって、俺たちの「食事」になるのか、実際にその目で見て経験させる。

07.これから先は、個人の道徳なんかより、人間全体の道徳の方が大切になる。

 

 

各章からいくつかトピックを抜粋しました。

気になるお題がズラリです。

 

「道徳は自分で作るもの」と

本著では言われていますが、

 

それができて、さらに、

「道徳を言葉で語ること」まで

辿り着いているところがすごいです。

 

道徳はもとより

言葉化の大切さを

学んだいい機会となりました。

 

後日、この本から、

いくつか印象に残った箇所を

ご紹介していきます(^^)

 

北野武 新しい道徳

 

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