物販はなぜ資金が貯まらないのか?

実店舗であれ、インターネット通販であれ、
物販の悩みの種は資金繰り、つまりキャッシュ・フローです。

売っても売っても、お金が貯まらない。
利益は出ているはずなのに、お金が残っていない。

いろいろな原因が考えられます。

利益率、回転率、経費、ロス、etc…
いろいろな要素がからまって、結果、収益となります。

 

ここでは、在庫に注目してシュミレーションしてみます。
利益目標からみた資金繰りです。

たとえば
月収20万円の収入を目標として設定した場合

商品あたりの平均の粗利を20%とすると
20万円÷20%=100万円となるので、
100万円分の売上げがあればいいことがわかります。

このときの仕入れ額は
100万円(売上)-20万円(利益)=80万円(仕入)になります。

 

ということで月収20万円を稼ぐためには
80万円の資金が必要です・・・

とはなりませんね。

 

というのも実際には
100万円分の仕入をしたとしても
「1ヶ月ですべての商品が売り切れる」わけではないからです。

計算をわかりやすくするために
仕入れた商品のうち50%が1ヶ月で売れるとすると

80万円÷50%=160万円
となり、160万円の仕入をする必要がある事がわかります。

 

そうです
仕入れが160万円に対して売上げが100万円なので
資金の流れだけを追うと60万円の赤字になってしまっています。

 

100万円の利益があった場合
80万円分の在庫を販売していますので
160万円-80万円=80万円

手元には100万円の資金と80万円分の在庫が残ることになります。

このとき
売上げの100万円を全て仕入れにまわせれば
次の月は180万円分の在庫を持つことになり

180万円×50%÷(100-20)%=112.5万円
の売上げが見込めます。

 

このように資金と在庫バランスを考えながら
その両方をバランスよく増やしていくことで
利益は右肩上がりに成長します。

逆に言えば、売上や利益を、
しっかりと次の仕入に回す循環をしていかないと、
雪だるま式に大きくはなっていかない、ということです。

あまり細かい数値計算にこだわる必要はありませんが
「利益目標に対しての必要な仕入れ量」
を考えていく必要があります。

 

ちなみに手元の資金を増やしたい場合は
一時的に仕入金額を抑えるか、
「利益率」と「商品の回転率」を上げる。

 

物販は売上が拡大しても、利益が拡大しても、
それに比例して資金は貯まっていきません。
次の投資=仕入をするからです。

貯めたければ、利益が出たからと散財したりせずに、
出費や経費をコントロール、抑えていく必要があります。

難しいですね。

なので、実店舗であれ、ECショップであれ、
やはり「商売」というものはそう簡単にはいくものではありません。

 

プラス面は、
経験が増えること、自分で稼ぐ力がつくこと、

そして、
資金は貯まりませんが、資産(在庫)は貯まるということです。

会社などの場合はこの資産というものが大切になります。
いわゆる資産価値ですね。

 

資金を増やしたいのか?
資産を増やしたいのか?
自分の目指すゴールは?
会社の目指すゴールは?

いろいろな視点からみて、
今なにをする必要があるか、何を選択するか。

長期的視点、目標からの逆算で、行動していくことが大切です。