面白そうだったので手に取ってみたら、
思った以上に理にかなっていて、誰にでも当てはまる内容でした。
大橋巨泉さんと言えば、
芸能界でのピーク期に突然の「セミリタイア宣言」。
おそらく当時50歳過ぎだと思います。
それから20年以上「セミリタイア」を続けてきた体験から
いろいろな勧めが書かれています。
簡潔に言ってしまえば、
社会からの「セミリタイア」は誰しもできないにせよ、
自分の第二の人生、つまり「セカンドライフ」を始めるための導きです。
定年後60歳を超えてから始める人もいれば、
40-50歳からセカンドライフを考えて今の仕事から転機を図る人、
著者自身はその準備は30代からしても早くはない、と言っています。
今の社会状況から見て、早く準備するに越したことはない、
ということです。
要点としては、第二の人生に大切なことは、
1.健康
2.パートナー
3.財政
4.趣味
「健康」は、言わずと知れた、人生を謳歌するための基盤です。
これは本当に大切なことだと思います。
大橋巨泉さんも、
セカンドライフを始めてからより健康に気を配るようになり、
かかりつけの病院を得て、健康診断も欠かさず、
たばこも辞めたそうです。
「パートナー」とは、既婚者であれば、配偶者となります。
でも、既婚者であれ未婚者であれ、人生を共感できる人であれば、
誰でもいいとも言っています。
「財政」は資産や貯蓄のことですね。
「趣味」とは、第二の人生を謳歌するための引き出しの質と量になります。
よくニュースなどでも、特に男性に多いですが、
定年退職後、することがない、したいことが見つけれない、
という状況を見ます。
こうはなりたくないと切に思います。
だって、30-40年一生懸命働いてきたとして、社会からリタイアして、
何もない、空っぽの状態なんて想像しただけでもゾッとします。
いざ、したいことがあっても、健康状態が不安でもダメですよね。
スポーツやアウトドアを始めたくても、
気持ちはあっても体がついていかない。
いろんな意味で、時間とお金だけが余裕いっぱいにあったとしても、
その資源を有意義に使えない「セカンドライフ」はもったいない。
本のなかでは、
なんでもいいから、20-30年、長く続けられる趣味を持つことが大切、と言っています。
長く続けられるところに、きっと強みがでてくるからです。
深く、深く、掘り下げて、身につけていくこと。
例えば、切手集めやコイン収集にしても、
1-2年やる程度の趣味なら、なんのモノにもならないけれど、
それを30年コツコツと続けたとしたら、質も量も立派な資産になります。
芸能界の一時代を築いた人が書いた本なので、
どんな自慢話かな、どんな偏った一般的には通用しない話かな、
とも思っていたのですが、そうではなかったですね。
しっかりと地に足のついた内容でした。
当時「セミリタイア宣言」をした頃、そんな考え方も一般的ではなく、
「あいつだからできる」というのが世間一般の目だったと思います。
でも、今となっては、セミリタイア=セカンドライフとしたときに、
同じようなことを言っている人はたくさんいます。
そういう考え方も受け入れられることのほうが増えてきました。
「第二の人生」とは、『自分の力で、自分の好きなように生きる』
こういう定義なんじゃないかな、と思います。
本著のなかで、大橋巨泉は
「国と会社を信じているのは日本人だけ。いい加減気づかないと。」
と警鐘を鳴らしています。
芸能人だからできた選択、
ありあまる資産がある人ができた選択、と思わずに、
生き方の選択として読み進めてみると、なかなか腑に落ちます。
タイトルにもあるように、
人生80年時代な現代社会です。
60歳で定年を迎えても、それから20年あります。
40-50歳で今の仕事から転機を図れば、それから30-40年あります。
30歳で一念発起すれば、それから50年あります。(半分以上!!)
どんな無謀な夢物語でも、どんな安易な理想でも、
どんなチープな趣味でも、どんな少ない貯蓄でも。
今、そこから、20-30年それに向けて歩き出すと思えば、
必ず一歩一歩前進して、大きな塊になるはずです。
ちょっと勇気づけられましたね。