つづき。
前回のは、こちら。
読書:「多眼思考~モノゴトの見方を変える300の言葉! ~」 ちきりん レビューVol.1
4. 少子化と恒例化と男と女
テレビ局はそろそろ女性識者が出てきたときに「◯◯さんは二児の母親でもあります」って紹介するのを止めた方がいい。どうしても子供の有無が大事な報道内容だと思うなら、男性についても「◯◯さんは二児の父親でもあります」って言うべき。
原発問題や財政問題(将来の子供に負担)についての討論でも、すぐに女性は「母親としてどう思いますか?」って聞かれる。男性にも「父親としてどうか?」って聞けよって感じ。
テレビ番組って、女性識者や女性社長を「二児の母である」って紹介し、男性についてはそう紹介しないことが、「子育ては女性がするもの」というプロパガンダに加担することと同義であるって、理解できてないレベルの人が作ってるんだよね。
出産年齢が遅くなるのは女性が仕事と出産を両立できないから云々とよく言われるけど、それだけじゃない。女性が20代に出産しようと思えば、男性の多くにも「20代でパパになる覚悟」を固めてもらわないといけない。こっちの問題も結構ハードル高いのでは?
共働き子育てお母さんが「あたしが何も言わなくても家事を手伝ってくれるのは自動お掃除ロボだけ」ってコメントしてて、心から納得した。ここでは、自動お掃除ロボと並べられているのは何(誰)なのかというのがミソ。
ルンバが教えてくれたのは、あたしたちは使いやすい家電が欲しいんじゃなくて、家事をやってくれる人を求めているんだなってことだよ。
アントニオ猪木氏や塚原光男氏の立候補に対して「誰があんなのに投票するんんだ?」と思っている若者の中にも、30年後に本田圭佑氏や北島康介氏が立候補してたら一票を投じる人はたくさんいる。
「老後破綻したかわいそうな高齢者」をとりあげ、「福祉の充実が必要」って方向に世論を引っ張るより、「やたらとお金を貯め込んでる高齢者」をとりあげ、「なんか制度が変じゃないすかね?」って方向にもっていくほうが、よほど社会的意義のある報道だとはいえないだろうか?
オレオレ詐欺で2000万円だまし取られた高齢者が、いったい全部でいくらの資産をもっているのか、そーゆーのを特集した番組を作って欲しいもんだよ。
そして、いったいこの人達は、どーやってそんな多額な資産を、70代、80代まで減らさずに維持できるのか、その辺もぜひつっこんでほしい。
2000万円をオレオレ詐欺でだまし取られたAさん(78才)は、資産が6千万あるのですが、医療費も介護費用も一割負担のため、毎月の年金25万円のうち、5万円が貯金として蓄積され、まったくお金が減らさいそうです。みたいなナレーションで。
(1)日本の65才以上の人口は約3000万人、北朝鮮の全人口は2400万人。(2)日本の74才以上人口は1609万人で、オランダの全人口とほぼ同じ。(3)スウェーデンの全人口930万人より、日本の78才以上人口(1085万人)のほうが多い。すごいな。
2010年から2050年までの40年で、日本の人口って3000万人(23%)減るんだよね。3000万人って、今の「東京都、神奈川県、埼玉県」の3つを合わせた人口と同じなのよ。もしくは九州全部と東北地方全部と北海道全部を合わせたよりも多いんですけど。
未だに配偶者控除で3800億円も(専業主婦家庭の)税金が免除されてるなんて意味不明。これってつまり、女性にはバリバリ働いてほしくない、という国の意思表示だよね。
なんでこんな制度(配偶者控除)が廃止できないかというと、投票率の高い世代(50代、60代、70代)の家庭においては、今でも妻は専業主婦という比率が高いからです。
すべての政策は、投票率の高い世代のために作られるという民主主義の基本が生きてるだけ。
配偶者控除や国民年金の第3号ステイタスなどは、「フルタイムで働く女性から専業主婦」への利益移転であると同時に、働く女性の多い若い世代から、専業主婦が多い高齢者世代への利益移転でもあります。日本のほとんどの問題は「世代間問題」。
5. ゆるく考えよう
全員が「世の中をよくしよう!」とか考えなくていいってば。「自分が楽しく生きたい!」を貫けばいい。そしたら世の中よくなるって。全員が楽しく生きてる世の中ってサイコーでしょ?
大事なのは「個」なのよ。「全体」ではないんです。
あたしはほとんどのことに「答え」なんて求めてない。ただただ考えることが好きなだけ。
なぜなら、世の中の大事なことの大半には、そんな簡単な答えなんて存在しないから。簡単な答えが存在するのは、どーでもいいことだけ。
「人生はあと10年!」(と思って生きる)と決めてから、つまんないこと、ウザイこと、つらいことは何もできなくなってしまいました。ごめんよ、神様。
勝ちたいなら、自分の欲しいモノを手に入れたいなら、「頑張る」のではなく、「勝てる分野」を選び、「勝つ方法」や「手に入れるための工夫」について考えるべき。むやみに頑張るのは人生の無駄。
大丈夫。人生はなにかを成し遂げるためにあるんじゃなくて、楽しむためにあるんだから。