読書:「直感力」 羽生善治

プロ将棋棋士の羽生善治さんの本。

過去の『大局観』『決断力』という本もおもしろい。
今回は『直感力』という視点から、将棋の世界にとどまらない良書。

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直感とは何もないところから湧き出てくるものではない。
考えて考えて模索した経験を蓄積したプロセスのなかから
瞬間的であれ取捨選択からうまれた論理的思考。
だからなぜそれを選んだのかを説明できるものである。

直感を磨くとは、日々の生活のうちにさまざまのことを経験しながら、
多様な価値観をもち、幅広い選択を現実的に可能にすること。
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野球選手でもサッカー選手でもそうだけれど
とある世界のプロや一流と言われる人たちが書いた本は、奥が深い。

それまでその人が経験してきた、
一言で言ってしまっては失礼になるかもしれないが、
いろんな苦労や挫折、そこから這い上がってきた過程、
よりもっとと高みを目指す志、
そういうものが言葉の血肉となって表現されている。

だから、その世界に自分が精通していようとそうでなかろうと
いろんな人の心に響く言葉になるんだろう、と思う。

ビジネス書や自己啓発本に書かれている普遍的なことが
リアルな実体験をもとに書かれていることも多い。

もちろん本著も将棋の世界を中心に書かれているけれど
「将棋の世界だけの話ね」とは決して思わない叡智と説得力がある。

もし、いきなり小難しいビジネス書には手を出しにくいという人がいたら
自分の好きな著名人や選手、好きな世界の人が書いた本を
手にとって読んでみるといいかもしれない。

親近感や好意的な思いからか、案外すーっと入ってくるかもしれない。
そしてとっておきのエピソードに出会えるかもしれない。

小学校の頃は、将棋していたんだけどなあ。
将棋崩しのほうが得意だったけど!?

あれはあれで結構燃えて遊んだものです。
ほんの少しの集中力と負けん気は鍛わるかと思います。

 

成長期と成功期

成長曲線とは?
一般的にはグラフで右肩あがりな曲線もしくは直線で表される。

でもその線をよーく見てみると。
直線と思ったその線は、階段上のギザギザな線になっている。

つまりスムーズな直線や曲線で上昇しているのではなく
紆余曲折を経て、一つ一つ階段を登っているようなもの。

これが実態としての成長曲線。

 

成長期と成功期。
成長期とはインプットやアウトプットをしながら、学ぶ期間、つまり成果。
成功期とはその過程やプロセスが花開く期間、つまり結果。

だからひとりひとりの成長曲線は違う。

人によっては、急な段差の階段をかけ上げる人もいる。
人によっては、小さな歩幅で一歩一歩確実に登る人もいる。
人によっては、勢いで2段上がりする人もいるかもしれない。

長い階段には踊り場がつきもの。

人によっては、途中の踊り場が広い、
つまり踊り場の期間が長い人がいる。

この平らな面こそが、休息期でもあるが、次の成功期への成長期。
成功への学びの蓄積期間であるということ。

楽器やスポーツでも、練習を繰り返して、
ある日突然そこをクリアすることがある。

練習を繰り返している期間が成長期、
できるようになって発揮している期間が成功期。

この成長曲線の話と成長期・成功期という考え方を本で知った時は
なんか背中を押された気分というか、大丈夫だよ、と言ってもらえた気分だった。

だから、誰しも成功期よりも成長期のほうが、
確実に時間は長いのです。

たとえ停滞していても、止まっていて、そこの踊り場が長くても、
その分だけ助走をつけて次の一歩を大きく踏み出せる場所、
ということ。

成長も成功もくすぶっているな、という感情に陥ったときには、
このように、「成長」と「成功」を分けて考えてみてください。

なにか自分のなかに手応えや自分への承認
次へのエネルギーが芽生えるかもしれません。

成長曲線とは、一直線な軌道ではなく、実は階段状だった。

成長期と成功期

 

考える vs 行動する

あなたはどのタイプ?

考える前に行動する。
考えながら行動する。
考えてから行動する。

 

なかなか難しい。
この大きく3つのタイプでいえば自分はどれに当てはまるだろう。

時と場合にもよるだろう。
でも大きく性格や傾向もその人それぞれあるだろうし。

考える前に行動する人は、とりあえずやってみる、スピード重視型。
考えてから行動する人は、用意周到、慎重派、熟考型。
考えながら行動する人は、その中間。

ただ、これだけ情報や他者の体験記録などがあふれている世の中で、
あまりにも考えるだけだと、頭でっかちやがんじがらめ、
自分がやった気になることもある。
考えたあげく、やめてしまうことも多い。

そんなことを思ってたら、いい回答が本のなかにあった。
『考える前に行動せよ。そして、行動しながらもっと考えよ。』

なるほど。
このスタンスはいいなあと思った。

思っているよりも時間は短い。
だったらまずは動いてみて、違うかな?失敗かな?考えが足りないな?と思ったら
動きながら考えて修正していく。

そのくりかえしが一見遠回りなようで、近道な場合も多い。

大きな転機でも、日常生活のなかでも、
自分にチャレンジする機会やチャンスを与える、
それを楽しめるかどうか。

“何かをやってみる、はじめてみる”ということは
それだけ時間の流れのなかで、かけがえのないことだと思う。

思っている以上に、人は「食わず嫌いな生き方」をしてしまっている。
考えるだけで行動してしない、ということ。

それは過去の経験や情報の蓄積が、歳を重ねるごとに培われてしまうからしょうがない。

そうやってその人が形成させて磨きがかかっているところもある。
でも、それで新しいものを受け入れない、躊躇してしまう、というのはもったいない。

食わず嫌いな生き方、か。
なかなかいい表現。

だからこそ!
歳を重ねることに比例して、
考える前に行動する機会を増やしたらいいんじゃないかと思う。
過去の培った経験や情報や学びは、もう十分あるでしょう、と。

『考える前に行動せよ。そして、考えながらもっと行動せよ。』
これが大人のなせる業。

 

継続は力なり

小学校4年生のときに。
3月の終業式のときに担任の先生からもらった言葉。

4年生といえば、3-4年生の2年間の担任とクラス仲間が別れるとき。
その終業式のときに、担任の先生がクラス生徒ひとりひとりに
思い思いの言葉を色紙に書いてくれて渡してくれた。

そのときに自分がもらった言葉が「継続は力なり」だった。

うっすら意味くらいはわかっていた年頃だったとは思うけれど
やっぱり年を重ねるたびにまた、この言葉の重みを感じる。

継続は力なり。

意味は、
『継続してなにかをしていけば、いつか必ず力になる。』
これが一般的。

実はもうひとつ違った角度からの意味づけがある。
それは、
『継続してなにかをするには、力が必要である。』

このふたつの意味で、はじめて「継続は力なり」とは何たるかを
完成させているように思う。

継続することの大切さと大変さ、そこから見える先の光。
わかっているけどなかなかできない「継続」。

そんなときは、上の大切さと大変さ、をもう一度かみしめてみては。
そう、なかなか継続ってできるもんじゃない。
軽くできると思ってしまうから、できなかった自分に挫折してしまう。

はじめる前に、大変さ、力が必要なことを理解していれば、
軽はずみに始めないし、腹をくくって覚悟を決めてかかるかもしれない。
そしたら、スタートダッシュして継続しやすくなるかもしれない。

このふたつの意味をならべてみて、改めてそう思う。

 

読書:「すごい会議 ワークブック 2013」 大橋禅太郎

遡ること5年以上前。
会社のすべての会議に「すごい会議」という方式を導入した。

これを見つけてきた、また導入しようと決断した社長をはじめ上層部は
今思い返してもほんとにすごいなあと思う。

実際に講師の先生も招いて、約1年間 月1-2回の研修会議も受けた。
その講義が終了してから、いよいよ自分たちで「すごい会議」方式を取り入れた。

一言で言えば、吸収して実践するには非常に難しいというか、
一見わかりやすいのだけれど、とても奥が深いこの方式。

特に、コーチングなどの要素もあるため、誰が進行役かで
会議の是非もプロセスも導き出されるコミットメントも変わってくる。

何十回と積み重ねた会議方式だけれど
進行役だった時は特に毎回反省、そんな会議方式だった。

最近、この会議のワークブックが発売されたということで。
思い出すことも多い。

過去関連本が2冊程出ているけれど、
本著はワークブックということだけあって
このまま、順にページをめくりながら、
「すごい会議」が実践できるようになっている。

説明や注釈もその箇所箇所に書かれているので、より実践的。

・戦略的フォーカスやコミットメントという定義
・5秒で出した答えも、30分以上考えて出した答えも86%以上同じ
・問題点を『どのようにすれば~?』という質問文に言い換えることのメリット
・バームクーヘン 役割
・書いてから発表することのメリット

こんなキーワードを本著を読みながら思い返した。

ほかにもたくさんある。
本当に知れば知るほど、実践すれば実践するほどに、奥が深いから。
あまり本の内容を転載したらいけないので、少しだけ。

おそらく5年近くこの考え方を吸収して染みついているところもある。

環境が変われど、メンバーが変われど、
また自分だけのひとり会議としても
これからも活用していける場面はあるんじゃないかなと思う。

目標や目的を共有してチームとして進んでいく会社やプロジェクト。
それだけじゃない。
目標や目的を共有した仲間と、友達と。
将来を思い描く家族と。

この「すごい会議」方式を使って、
“すごい未来”を手に入れることができるか。
そのカギを握っているのは、誰ですか?

と、最後の一文も、
これまた懐かしいこの会議方式のヒトコマから引用してみた。