ないものを数えず、あるものを数える

もっとこれが欲しい、もっとこれを手に入れたい!
そんな欲望や願望はあります。

モノを持つことは、幸福や欲望の追求です。
もちろん得ることで幸福感は満たされます。

手に入れることでステップアップできる
手に入れる過程で成長できる

こういったプラス面ももちろんあります。

 

最近飛び込んできた言葉ではっとさせられたのがこれです。

「ないものを数えるのではなく、あるものを数えよ」

 

つまり “何かを手に入れたい願望” はエンドレスです。
何かを得ても、次のものがまた欲しくなります。

そして焦りや心の余裕がなくなっていきます。

 

ちょっと立ち止まって、
すでにあるものに考えを巡らせてみる。

これはモノだけに限りません。

人もお金も環境も、自分を取り囲んでいるすべての状況に。

 

そうすると、
自分がたくさんのものをすでに手に入れていることに、
気づくことができます。

 

あれも欲しい、これも欲しい、
あれが足りない、これも足りない、
あれが満たされない、これも満たされない、
ない、ない・・・

 

ないものばかりを指折り数えても、おそらく両手では足りません。

同時に。

あるものを指折り数えてみたら、
こちらもおそらく両手では足りません。

みんな。
そんなものです。

 

目標を達成させるために大切な3つのこと

一年の計は元旦にあり。
新年早々に今年の目標を立てる方も多いと思います。

今年こそは目標を達成するぞ!
去年は達成できなかったから。
いや、そもそも去年立てた目標はなんだったっけな??

そんなこともあると思います。
そんな思いから今年こそは!となるのもこのお正月だからこそです。

 

目標を達成できない3つの理由は大きくこれです。

  1. 優先順位がない
  2. 行動が絞れていない
  3. 習慣化できていない

 

「1.優先順位を決める」

1年365日といえど、時間は平等です。
初心の勢いこそあれど、あれもこれもと盛り込んでもだめです。
オーバーワークになってしまうか、燃え尽き症候群になってしまいます。

大きくは3つに絞ることが大切です。

健康、仕事、家族、お金、勉強、趣味 etc
それぞれのテーマやカテゴリーにて大きく3つまで。

むしろテーマやカテゴリーまでも絞って、
今年は「健康面1つ、仕事面1つ、趣味面1つ」などでもいいくらいです。

 

「2.行動を絞る」

大切なのは、立てた目標に対して行動することです。
そして、行動を継続することです。

目標に対する具体的な行動が多すぎると続きません。
また継続するのにムリがある行動でも意味がありません。

 

「3.習慣化する」

今年の目標として立てた項目は、
当たり前ですが1年かけて、また1年の間に達成したい目標です。
1日2日で達成できるものではないと思います。

結局は目標達成なんて、突然起こるものでもなく、
目標達成に向けてウルトラCな技があるわけではありません。

ということは、
「日々の蓄積」こそいつか花開くことになります。

習慣化とは、
極端に言えば、無意識、やって当たり前な状態になること。

そして「2.行動を絞る」と同じように、無理をしないことが大切です。
継続して続けられる範囲が大切です。

 

今日の行動が明日をつくります。
今日の行動の積み重ねが”1年後の今日”をつくっています。

なんだかんだ最終的には、目標達成の最大のカギは、
「自分の本気度」だと思うのです。

できたらいいな、なのか、
できるまでやる、なのか、
絶対できると信じている、なのか、 etc

 

私も今年の目標は立てました。

希望値 期待値 必達目標 ・・・

いろいろな思いはありますが、
去年よりも成長を目指して、ひらすら前進します。

 

まずは毎日目標を見ること。
まずは毎日続けることを始めるところから。

 

読書:「「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択」 大橋巨泉

面白そうだったので手に取ってみたら、
思った以上に理にかなっていて、誰にでも当てはまる内容でした。

大橋巨泉さんと言えば、
芸能界でのピーク期に突然の「セミリタイア宣言」。

おそらく当時50歳過ぎだと思います。

それから20年以上「セミリタイア」を続けてきた体験から
いろいろな勧めが書かれています。

 

簡潔に言ってしまえば、
社会からの「セミリタイア」は誰しもできないにせよ、
自分の第二の人生、つまり「セカンドライフ」を始めるための導きです。

定年後60歳を超えてから始める人もいれば、
40-50歳からセカンドライフを考えて今の仕事から転機を図る人、
著者自身はその準備は30代からしても早くはない、と言っています。

今の社会状況から見て、早く準備するに越したことはない、
ということです。

 

要点としては、第二の人生に大切なことは、
1.健康
2.パートナー
3.財政
4.趣味

「健康」は、言わずと知れた、人生を謳歌するための基盤です。
これは本当に大切なことだと思います。

大橋巨泉さんも、
セカンドライフを始めてからより健康に気を配るようになり、

かかりつけの病院を得て、健康診断も欠かさず、
たばこも辞めたそうです。

「パートナー」とは、既婚者であれば、配偶者となります。

でも、既婚者であれ未婚者であれ、人生を共感できる人であれば、
誰でもいいとも言っています。

「財政」は資産や貯蓄のことですね。

「趣味」とは、第二の人生を謳歌するための引き出しの質と量になります。

 

よくニュースなどでも、特に男性に多いですが、
定年退職後、することがない、したいことが見つけれない、
という状況を見ます。

こうはなりたくないと切に思います。
だって、30-40年一生懸命働いてきたとして、社会からリタイアして、
何もない、空っぽの状態なんて想像しただけでもゾッとします。

いざ、したいことがあっても、健康状態が不安でもダメですよね。

スポーツやアウトドアを始めたくても、
気持ちはあっても体がついていかない。

いろんな意味で、時間とお金だけが余裕いっぱいにあったとしても、
その資源を有意義に使えない「セカンドライフ」はもったいない。

 

本のなかでは、
なんでもいいから、20-30年、長く続けられる趣味を持つことが大切、と言っています。

長く続けられるところに、きっと強みがでてくるからです。
深く、深く、掘り下げて、身につけていくこと。

例えば、切手集めやコイン収集にしても、
1-2年やる程度の趣味なら、なんのモノにもならないけれど、
それを30年コツコツと続けたとしたら、質も量も立派な資産になります。

 

芸能界の一時代を築いた人が書いた本なので、
どんな自慢話かな、どんな偏った一般的には通用しない話かな、
とも思っていたのですが、そうではなかったですね。

しっかりと地に足のついた内容でした。

 

当時「セミリタイア宣言」をした頃、そんな考え方も一般的ではなく、
「あいつだからできる」というのが世間一般の目だったと思います。

でも、今となっては、セミリタイア=セカンドライフとしたときに、
同じようなことを言っている人はたくさんいます。

そういう考え方も受け入れられることのほうが増えてきました。

「第二の人生」とは、『自分の力で、自分の好きなように生きる』
こういう定義なんじゃないかな、と思います。

 

本著のなかで、大橋巨泉は
「国と会社を信じているのは日本人だけ。いい加減気づかないと。」
と警鐘を鳴らしています。

 

芸能人だからできた選択、
ありあまる資産がある人ができた選択、と思わずに、
生き方の選択として読み進めてみると、なかなか腑に落ちます。

タイトルにもあるように、
人生80年時代な現代社会です。

60歳で定年を迎えても、それから20年あります。

40-50歳で今の仕事から転機を図れば、それから30-40年あります。

30歳で一念発起すれば、それから50年あります。(半分以上!!)

 

どんな無謀な夢物語でも、どんな安易な理想でも、
どんなチープな趣味でも、どんな少ない貯蓄でも。

今、そこから、20-30年それに向けて歩き出すと思えば、
必ず一歩一歩前進して、大きな塊になるはずです。

 

ちょっと勇気づけられましたね。

 

映画:「奇跡のリンゴ」 DVD鑑賞

映画公開当初からずっと気になっていた映画「奇跡のリンゴ」
最近DVD化されましたので、ようやく鑑賞しました。

もともと青森県のリンゴ農家の方が書いた
無農薬リンゴの本を原作にしていて
その本の人気から映画化されたような作品で実話です。

よかったです。
映画としてよかったというよりも、いろいろと励みになりました。

 

知らなかったですけど、
映画本編で得た知識程度ですが、

りんごって西洋からきた果物で、
日本ではまだ100年ほどの歴史だそうです。

おそらく外交や貿易が盛んになった
江戸時代くらいからということでしょうね。

そしてリンゴという果物そのものが、
品種改良の繰り返しによってできたような果物らしく、
もろいといいますか、
農薬なしで育てることは考えられないというのが常識だそうです。

その前提条件のなか、無農薬リンゴを栽培するんですね。

 

まあ紆余曲折ありまして、いろんな肥料を試したり、試行錯誤しながら、
なんと身を結んだのが、11年目です。
11年目ですよ!

それまでに結婚もし、子供も3人、税金も払えない、電気も止められる、
家族にも苦労をかけ、苦楽をともにしながら、11年間ずっと挑戦し続けるわけです。

それが純粋にすごいな、と思いました。
よっぽどの意志や軸が自分にない限り、道半ばで折れてしまいます。

 

原作がノンフィクション、実話なので、
それだけ迫ってくるものもありました。

でも、本当にすごい。

失敗し続けたとして、なかなかうまくいかない、道が開けないなかで、
11年間も挑戦し続けることができるかな?
11年間も家族と苦楽をともにできるかな?

といろいろなことを考えてしまいました。

 

と同時に、とても励まされました。

11年目に花開いたとしても、
自分の場合、何歳くらいかあ、それでもいいかも。

そのくらい打ち込めることをやっぱり続けていきたい。
すぐに結果や成果が出なくても長い目で見れば大丈夫。

だからこそ!
やりたいことを、志をもって、思い立った時に始めて、
ひたすら継続する。

これでいいんだ、と思いました。

 

いや、ほんとに11年ですよ。
同じ地域の農家さんたちからも馬鹿にされ、村八分にされ、
持っていた畑も半分は税金滞納で差し押さえられ。

それでもいちずにやり続け、信じつづけて、花開く。

なかなか真似できることではないですが、
仕事の内容こそ違えど、
実在するそういう開拓者たちには勇気をもらいます。

 

やりたいことがある人って、やっぱり強いです。
やりたいことができる人って、やっぱり恵まれた環境です。

あとは自分を信じて、未来を信じて、突き進むだけですから。

大切なのは
“志” ”いつまでに達成したいか” ”達成した姿を想像できるか”
これが原動力となることを改めて胸に刻みました。

 

奇跡のリンゴ DVD  奇跡のリンゴ 本

読書:「三十光年の星たち」 宮本輝

学生の頃からよく読んでいた宮本輝さんの小説です。

たまたま最近本屋で見つけた新刊 「三十光年の星たち」

そのタイトルと箇条書きのあらすじを見て、
ひっかかるものが強く手にとってみました。

文庫本で上下巻となっていますが、
思った以上に一気に読みきってしまいました。

それだけ読みやすくもあり、内容に引き込まれていくものもあり。

 

あらすじは、
職も恋人も失い何のとりえもない普通の30歳男。

金貸しから借りた借金を返済するため、
とある提案から行動を共にするようになる。

若者の再起と生きることの本当の意味を、
圧倒的な感動とともに紡ぎ出す傑作長編。

金貸しといってもちょっと特殊なので、
その業界や裏の世界の物語ではなく、
ごくごくありそうな普通の人々の生活が描かれています。

 

いろんな世界の師と弟子の関係、人生訓、
修行や鍛錬を積むということ、

主人公は30歳なんですが、主要人物に75歳など諸先輩も多く、
その語りや言葉、考え方がすごく響く内容でした。

30年という時間の尺度がこの小説のキーポイントになっています。
印象的な言葉を抜粋します。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「十年でやっと階段の前に立てるんだ。二十年でその階段の三分の一のところまでのぼれる。三十年で階段をのぼり切る。そして、いいか、のぼり切ったところから、おまえの人生の本当の勝負が始まるんだ。その本当の勝負のための、これからの三十年間なんだ。そのことを忘れるんじゃないぞ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

この言葉は75歳の金貸しから、主人公の30歳に向けられたものです。
(このふたりは物語のなかでの師弟関係にあたります)

ということは、本当の勝負は60歳から、
これから30年がその鍛錬の時期、
ということになります。

なるほどなあ、と。
ほかにもこんなのもあります。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
どの分野にも若くして天才と称される人がいる。しかし、そのうちの何人が、才能をさらに磨いて大成できたか。自らの才能を超えた大仕事を、年齢とともに成し遂げていく人間を天才というのだ。
「三十年間」に耐えられなかったからだ。「三十年後」というものに焦点を定めれなかったからだといってもいいし、「三十年間」を途中でどこかで投げ捨てて、うぬぼれていったと言い換えてもいい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

とまあ、あきらかに若い人とは時間の尺度が違うわけです。

それは様々なことを経験した年齢だからこそ
言えることなのかもしれませんし、
長い時間軸で物事を俯瞰的に見ることができるのかもしれません。

それを若いうちに習得しろというのはもちろん無理なことです。
若くして悟りでもしないかぎり。

でも、そういった人生観を教えてもらうこと、
予め教訓として持っておくこと、

それをふまえて自分のこれからの人生を歩んでいくことは、
大きく違うだろうと思います。

だからこそ、こういった師弟関係やその環境が、うらやましくもあり、
これまであまり言われたことのない言葉たちを聞けた気がして、
うれしくもありました。

植物学者、柔道家、料理人などあらゆる世界の師匠が登場し、
そして師弟関係の様相やその環境での言葉たちが胸を打ちます。

 

主人公と同世代の今、この本を手に取れてよかったなと思います。

この「三十光年の星たち/宮本輝」のレビューのなかには、
『あと10年20年前にこの本に出会えていたら変わっていたかもしれない』という感想を書かれている方も多かったです。

そしてそんなことを言われるどの方も
『いや、人生に遅すぎるということはない、これからの三十年を・・・』と結んでいます。

 

最後に紹介します。
75歳の金貸しが主人公に説く「自分を磨く方法」は金言です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「働いて働いて働き抜くんだ。これ以上は働けないってところまでだ。もうひとつある。自分にものを教えてくれる人に、叱られつづけるんだ。これ以上叱られたら、自分はどうかなってしまうっていうくらい。このふたつのうちのどっちかを徹してやり抜いたら、人間は変われるんだ。悪く変わるのは簡単だが、良く変わるのはじつに難しい。だけど、このふたつのうちのどちらかをやれば、人間は良く変われる。だまされたと思って、やってごらん。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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