アートディレクター クリエイティブディレクター として有名な
佐藤可士和さん。
学生からの質問に答えるという連載をまとめたもの。
アートディレクター受講生の質疑応答という形式なので
専門的な内容もあるけれど、多岐な分野にわたり、
その回答もとても丁寧でわかりやすい。
そんな中で一番印象に残ったページ。
月に何冊くらい本を読みますか? という質問に対しての回答。
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僕にとって本というのは“視点を与えてくれるもの”。
本には一冊ごとに、ネット上の情報にはない「目次」があり、
著者の視点、そして思考の流れがわかるようになっている。
本は出会い。全部面白いということはありません。
タイミングにも左右されます。
同じ本でも、読んだときの年齢や、自分の置かれた状況によって全然違うものになる。
自分の状況と本の内容がバチっと合うと、それはその人にとって特別な一冊になる。
そういう出会いをするためには、やっぱりたくさん読むしかないんです。
読書は、音楽を聴いたり、映画を見たり、釣りをしたりするのと同じ、
体験のひとつととらえています。
だから、特定のデザインに直接影響を与えているということはないけれど、
深いところで、クリエイティブの思考に大きな影響を与えていると思います。
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その通りだなあ、と思う。
ここまで本を読むということを、読書のすすめを、
わかりやすく表現しているのをあまり見たことがない。
読んだほうがいいのはわかってるんだけど、こういう回答をされると
どんな人でも、ちょっとなにか手にとってみようかな、
本屋にでも言ってみようかなと思うんじゃないかなあ。
「出会い」「タイミング」「特別な一冊」「体験」というキーワードが
どんな人にも当てはまる日常生活からのキーワードになっている、
と思う。