生産性向上の4ステップと分析すべき4要素

◎生産性向上の4つのステップ

1. 最終商品から必要な作業・順番を知るために、仕事を作業単位に分析する。

2. 個々に分析した作業を集めて、必要なものだけ統合し、生産プロセスとして編成する。

3. そのプロセスの中に、その方向、質と量、基準と例外を管理するコントロール手段を取り込む。

4. それらの作業をするのに適切な道具を考え、調達して与える。

 

「誰かにできたことは、誰にでもできるようになる」
行動科学の基本理念でもある。

この原則にしたがえば、程度の差はあれ、
生産性の向上は可能になる。

生産性の向上に特効薬はない。
そのための体系的・計画的・継続可能な仕組みをつくり出し、
それを経営・管理・現場の各レベルで徹底的に実行する。

 

◎分析すべき4つの要素

1. この事業で成果をあげるのに必要な知識

2. 商品の組み合わせ(構成あるいは品揃え)

3. 内製か外注かの工程(プロセス)の組み合わせ

4. 組織と活動(ヒト・モノ・カネ・時間)のバランス

 

たとえば、1. 知識については、
・どのような知識が必要か
・自社にある知識は何と何か
・足りないものは開発するか、育成するか、買収するか、提携するか
・自社の強みである知識は活用されているか

などを分析していく。

これまで最適だった手段が、今も、そしてこれからも、
最適であり続けるとはかぎらない。

また高い目標を掲げたことで、
その方法あるいは改善レベルでは、達成できないこともある。
(ゼロベース思考)

生産性の向上には、イノベーションが必要。

生産性を作業レベルでとらえるのではなく、
経営レベル、経営視点でとらえることが重要。

 

3つのマネジメント

◎マネジメントには三種類がある

《事業のマネジメント》
・経営方針
・経営戦略
・経営計画
・組織構造

《管理者のマネジメント》
・組織化
・運営の仕組み・ルールづくり

《人と仕事のマネジメント》
・人の配置
・やる気の高揚
・仕事の設計

 

3つは相互依存、補完関係にある。

3つのマネジメントすべてに「時間軸」存在し、
重要な要素となる。

すなわち、どのマネジメントにおいても、
準備(投資、育成、仕組みづくりetc)から結果が出るまでに、
時間差が生じる。

3つのマネジメントは、
分析・検証・検討・評価などの際、個別に扱うことはできる。
ただし切り離すことはできない。

ex)
管理者の人事異動が起これば、必ず3つのマネジメントに影響する

また、分析などにおいて、順番をつけることは可能だが、
優先順位はない。
どれ一つ欠いても、事業として成り立たなくなってしまう。

計画・実行・評価のマネジメント・サイクルを回すこと、
すべてがマネジメントの対象である。

 

察知力

◎「察知する力」で問題を解決 5ステップ

1. 問題提起
「本当のテーマは何か?」「それは解決すべきか?」
→問題の明確化が解決スピートをUP

2. 仮説
「疑う、分解する、追加する、組み合わせる」
→事実を一度バラバラにして、糸口を見つける

3. 証拠
「証拠」を重ねると、見えてくるものがある
→現場のデータを重視

4. 論理
「矛盾」を徹底的に排除
→この絞り込みが答えを近づける

5. 直感
「先入観や願望」と「事実」を混同しない
→論理思考プラス直感の力

 

◎「察知力」トライアングル

「広い視野」と「バランス感覚」を高めるチェックポイント

1. 問題の本質を察知
・本当にそうなのか? (事実を疑う)
・感情や過信にとらわれていないか?
・どこが問題か? (テーマの設定を疑う)

2. 相手(の真理、動き)を察知
・ネガティブな言葉・態度が隠れていないか?
・共感で相手の本音を引き出す
・理詰めだけで攻めず、感情を読む

3. 自分(に必要なこと)を察知
・自己正当化していないか?
・その行動は他人にメリットがあるか?
・自分ができないことは何か?

 

論理的検証のための質問

AとBの因果関係
論理的検証のための質問

Aで引き起こされる現象は、Bだけですか?
他に予測できる結果はありませんか?

AとBは逆さまになっていませんか?
Bが原因でAが起こっているということはないですか?

Aが原因となって、Bが起こっていますか?

Aさえあれば、Bになりますか?

これはわかりやすくて明瞭ですか?

これは本当に存在しますか?

Aという同じ結果を引き起こす、まったく異なる別の原因はないですか?

 

「変わる」ことへの6つの抵抗

「変える」「変わる」と言ったとたんに、大きな抵抗が働く。

1. 取り組もうとしている問題が、問題であるとは思わない
2.  解決しようとしているやり方に合意できない
3. その解決方法で問題が解決するとは思わない
4. この解決方法を実行するとネガティブな問題が発生する
5. 提案されている解決方法を実行すると、障害が発生するので現実的ではない
6. 知らないことに対する恐れ

次の3つのロジックをたどる。

・何を変えるか?
・何に変えるか?
・どうやって変えるか?

次の思考に切り換える。

1. 取り組もうとしている問題を認識する
2. 解決しようとしているやり方に合意する
3. その解決方法で、問題が解決すると思える
4. この解決方法を実行しても、ネガティブな問題が発生しない
5. 提案されている解決方法を実行すると、障害が発生することが予想されるが、それを問題なく回避できる
6. 怖がらないで実行するのみ!